UX, UI Review

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[Report] (後編)パロアルト研究所(PARC)の人間中心イノベーションへの取り組み

      2014/11/03

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[Report] パロアルト研究所(PARC)の人間中心イノベーションへの取り組み(前編)に続き、後編をレポートします。

※このレポートは筆者のメモ/解釈なので、講演者の意図と異なる可能性があります。

後編は伊賀聡一郎氏の「企業における人間中心イノベーションの実践に向けて」についてレポートします。

講師の伊賀氏はPARC 研究員。前編でレポートした佐々氏と同じグループに所属しているらしい。詳細なプロフィールはリンク参照

伊賀氏の講演は、会場にどのような職種の人が来ているのかという問いかけから始まりました。

エンジニア、デザイナー、PARCの競合など様々な職種の方が参加されていました。

そこから、近年の「競合」についてのお話しに入ります。

競合

近年では、カフェとコンビニのコーヒー戦争のように、以前は競合ではなかった相手が、競合相手になる。

企業にとっての不確実性が高くなることで、その不確実性とどう対峙するかが、これからの企業には必要になっている。

チャンスにつながりそうなところ

世界的に人口が増えている。アジア人が増加し、欧州人が減少する。また、インターネットが更に拡大し、モバイル機器も更に広がる。そのあたりにチャンスがあるのではないか。

リスクにつながりそうなところ

逆に、リスクにつながりそうなところもある。

オイルピーク(石油の産出量が最大となる時期・時点のこと)は、2006年に迎えた可能性が高い。水不足、農耕地の不毛作、生物多様性の低下、それによって、紛争が起きることが懸念される。また、高齢者の増加、地球温暖化も問題である。

日本は世界的に見ても、後期高齢者の割合が多い国である。そこから、就業率の低下、失業率の上昇が懸念される。

そこで、「資源・エネルギー」、「経済発展」、「環境問題」を考慮して、イノベーションを起こしていく必要がある。

イノベーションとは何か?

イノベーションとは、生活空間の中に新しいものや経験を取り入れることである。

イノベーションと言うと、大規模なものというイメージを持たれやすいが、小規模なものでもイノベーションと言える。

イノベーションをブレイクスルーさせるには

イノベーションをブレイクスルーさせるには、本質的な課題を打ち破る解決策を考える必要がある。

ブレイクスルーには、ケーパビリティ( 能力/才能/可能性)が必要で、企業内の野心的な科学者や技術者の存在が重要になってくる。

市場の飽和と技術の置き換え

人間は、生まれてからずっとミルクを飲んでいるということはない。人間は成長にしたがって、必要な物が変わってくる。

市場が飽和すると、技術の置き換えが起きる。

成長している市場でも、衰退を前提としてデザインをプランニングしていく必要がある。

主要国の企業研究開発費

日本の企業研究開発費はアメリカ、中国に次いで3位。研究開発効率は、日本の低さが目立つ。

日本の企業には、「成長市場を産んだ成功」が視野を狭め、その結果、研究に投資しても利益を得られないという結果を生んでいる。

事業部とR&D部門との意見の相違

企業内では、事業部とR&D部門とで意見の相違が起きやすい。

事業部は、新しい技術を既存ユーザーへを提供したいと考える。

R&D部門は、新しい技術を潜在的なユーザーへ提供したいと考える。

企業における人間中心イノベーション

イノベーションを起こすには、イノベーティブな組織が必要。だが、企業にとって結果がでないのはまずい。

人間中心イノベーションとは、人々の価値観の根源やインスピレーションを捉えて、デザインしていくことである。単純に人々の意見を取り入れてデザインをしてくことではない。

二分法の幻想

以下のように、実際には他にも選択肢があるのに、二つの選択肢だけしか考慮しない二分法のような考え方は行わないほうがよい。

Demand-pull vs Technology-push

Basic research vs Applied research

Science vs Engineering

二分法を超えたアプローチをする、根本的な研究が必要である。

基礎研究:好奇心に従って進め

応用研究:重要な問題点に焦点を絞れ

根本的研究は、基礎研究(何が可能か?)と応用研究(何が必要か?)のどちらの要素も含まれている。

PARCの基本的なアプローチ

Marketing risk forward(開発工程の上流でリスクを把握していく)がPARCの特徴。

事例:クリーンウォーター

将来の水不足を予想し、綺麗な水を提供する技術を模索していた。

約1ヶ月で技術を作り上げた。その後、研究を止めて、研究者自身が市場を探索した。この技術はスケールするのか?というのを探索した。

特定の仮説を手放した時こそ、スケールするチャンスがある。

ユーザーは思ってもみなかった行動をする

3つの概念モデル(ノーマン)で言われているように、デザイナーの概念モデルとユーザーの持つモデルが異なるため、使いにくいシステムになってしまう。

例えば、ザウルス(シャープのPDA)のペンを失くしたので、フォークで操作することもある。

意図しない行動を防ぐために、サイン(テプラ、張り紙など)を増やしたり、マニュアルを厚くするのは場当たり的な対応であり、避けるべきである。

まとめ

PARCは、根本的な課題は何かを常に意識し、そこからブレクスルーを探し出せる。

いろいろイベントもやっているので、ご興味がある方はどうぞ。

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